震災から約12年の歳月を掛けたー誂石橋開通
東日本大震災の津波で、気仙川に架かっていた「誂石橋(あつらいしばし)」は流されてしまいました。この橋は、高田町と気仙町を結ぶ生活の要であり、地域の人々にとっては日々の通い道でもありました。その橋を失ったことで、気仙町の神崎地区や大嶋部地区などの住民は、陸前高田市内に出るために大きな遠回りを強いられることになったのです。
市内へ行くには、国道343号線の「廻館橋」か、国道340号線の「今泉大橋」、あるいは国道45号線の「新気仙大橋」を渡るしかありませんでした。しかし、いずれもぐるりと迂回するルートで、ちょっとした買い物や通院でさえ、不便極まりない状況が長く続きました。
その状態は、実におよそ12年もの間続いたといいます。橋が一本なくなるだけで、地域の生活の流れや人の心の距離まで変わってしまう――そんな現実を、地元の方々は身をもって感じてこられたのではないでしょうか。

そうした不便な暮らしが続くなか、失われた誂石橋の再建工事がようやく2017年に着工されました。被災からすでに6年余りが経っており、住民にとっては「待ちに待った工事開始」だったのではないでしょうか。そして、長い工期を経て、2022年12月18日の日曜日――11年9か月ぶりに新しい誂石橋が開通しました。

今回の再建で、新しい橋はかつての倍の幅となり、より安心で便利な交通路へと生まれ変わりました。この橋は陸前高田市中心部と対岸の気仙町嶋部地区や矢作町を結ぶ重要な道路であり、再び地域の人々の暮らしを支える“大動脈”として機能し始めたのです。

新しい誂石橋は、全長250メートル、幅6.5メートル。総工事費はおよそ25億円という大規模なプロジェクトでした。この完成によって、市内で進められてきた復興事業もようやく一区切りを迎えたように思えます。橋の完成は、単なる交通の便の回復にとどまらず、地域に住む人々の心にとっても大きな節目になったのではないでしょうか。
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