陸前高田市探訪 「甦る記憶」リメイク版

震災前から震災を経て現在までの記録画像を纏めたリメイク版

台風5号、9年ぶりの北海道上陸―2016年との気候比較から見えるもの

2025年7月15日未明、台風5号が北海道の襟裳岬付近に上陸しました。北海道への台風の上陸は、実に9年ぶりのこと。さらに、今回の台風は7月中旬という早い時期の上陸で、これは観測史上初めてのケースと報じられています。

この“9年ぶり”という言葉にピンときた方もいるかもしれません。前回北海道に台風が上陸したのは、2016年。その年は台風の発生や進路に特徴があり、今と似たような気候だったのではないかと気になり、少し調べてみました。

今年の台風、異例づくし?

2025年は、4月と5月に台風の発生がありませんでした。これはかなり珍しいことで、6月に初めて台風が発生したのは2016年以来、9年ぶりとなります。しかも、北海道への上陸が7月というのは、1951年の統計開始以来初めてのことで、今回の台風は時期的にも進路的にも“異例づくし”といえます。

さらに特筆すべきは、今回の台風5号が勢力を維持したまま北上し、北海道付近でも衰えることなく上陸したという点です。通常であれば、台風は北に進むにつれて海水温の低下などにより勢力を弱めるものですが、今回は違いました。

勢力を保ったまま北上した理由とは?

気象庁や各気象サービスの発表によれば、台風5号が衰えずに北海道へ到達した理由のひとつが、「東北〜北海道沿岸の海水温が例年より高かった」ことにあります。特に東北沖の海面水温は、平年よりも約3℃も高く、台風がエネルギーを失うことなく北上できる“温暖な海”が続いていたのです。

加えて、7月中旬の北海道としては異例ともいえる高温多湿の空気が広がっていたことも、台風の勢力維持を後押ししました。これらの条件がそろったことで、これまでの常識では考えられなかった「7月に北海道上陸」という事態が現実となったわけです。

画像データー ウェザーニュース
https://weathernews.jp/onebox/typhoon/news/

2016年はどうだったのか?

2016年にも、北海道に台風が複数上陸しており、特に8月には台風11号が道東に接近・上陸し、大きな被害をもたらしました。この年もまた、台風の発生時期や経路に異例さが見られました。初発台風が6月、4〜5月の発生がなく、東〜北日本への接近が相次いだのです。

この年もまた、台風が北上しても勢力を保ちやすい海面水温や大気の状態が続いていたと記録されています。つまり、「9年前」となる2016年も、2025年と同様に、“台風の高緯度接近・上陸”が成立しやすい気候条件が整っていた年だったと言えるのです。

共通点と違いを整理してみる

陸前高田市探訪「甦る記憶」データー版より編集

両年に共通して言えるのは、台風の発生時期や進路が南寄りから北寄りにシフトしていたこと、高海水温が台風の勢力維持を支えていたことです。ただし、2025年の台風は時期が異例に早く、異常気象の進行や気候変動の影響がより前倒しで現れている可能性も考えられます。

気候変動との関係は?

気象研究の分野では、地球温暖化により海面水温が全体的に上昇していることが、台風の勢力強化や高緯度上陸を招いているという見方が強まっています。今回の台風5号のケースは、それを裏づける現象のひとつとも言えるでしょう。

また、台風の“動き”にも変化が見られています。過去には日本列島をかすめるように通過していた台風が、近年は本州・北海道の陸地に直接進路を取るケースが増えており、進路の“パターン化”が崩れつつあるとも言われています。

おわりに

2025年の夏は、台風の発生時期、進路、上陸時期のすべてにおいて、例年とは異なる特徴を見せています。特に、北海道への7月の台風上陸は史上初ということで、気候が着実に変わりつつあることを実感させる出来事でした。

9年前の2016年にも似たような状況がありましたが、今年はさらにその“先”を行くような動きです。今後の気象や防災の在り方を考えるうえでも、今回の台風の動きは一つの大きな節目となるのではないでしょうか。

閲覧くださいましてありがとうございます。

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