震災後の爪痕-太田・細浦界隈

撮影場所:大船渡市末崎町細浦地内
撮影年月日:2011年3月18日
大船渡方面へガソリンを給油しに向かうため、本来なら国道45号線を利用したかったのですが、震災の影響で通行できず、やむなく山沿いを大きく迂回することにして、アップルロードを経由し県道38号線へ向かおうとしたものの、こちらも通行止めに。そこで進路を変え、末崎町梅神地区を抜け、細浦港へと下るルートを選びました。


末崎町太田団地界隈に視線を向けると、そこに広がっていたのは想像を超える惨状でした。整然と並んでいた家々は、ほとんどが全壊、もしくは半壊。場所によっては、基礎の束石だけがぽつんと残され、建物の姿は影も形もありません。日用品や家具の破片が散乱する様子が、そこにあった家族の日常と記憶を物語っていました。



道を慎重に下っていくと、かつての面影を残さない津波の爪痕が目に飛び込んできました。震災前の細浦漁港は、碁石観光船の停泊地として観光客で賑わい、活気に満ちた場所でした。しかし今は、漁港の岸壁が大きく破壊され、静まり返った無残な光景が広がっていました。普段は威勢のいい漁師たちの声が響いていた港に、波音だけが虚しく響いていました。

道路脇には津波の力で押し流された車両が横転したまま残され、自然の猛威と被害の大きさを無言で語りかけてきます。あたり一帯には、かつて当たり前だった日常があった。それが、一瞬にして失われたことへの痛みを、肌で感じるしかありませんでした。
町は今、少しずつ復興に向かっています。しかし、この日目にした風景は、二度と忘れることはないでしょう。細浦港も、太田団地も、かつての賑わいを取り戻す日がきっと来る。そんな願いを込めながら、静かに手を合わせ、その場を後にしました。
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