三陸・大船渡夏祭り 海上七夕

撮影場所:大船渡市大船渡町字野々田
撮影年月日:2008年8月1日
まだ三陸・大船渡夏祭りの開始前で、少し時間があったため、大船渡湾内を散策してみました。すると、堤防に係留された一隻の台船が目に留まりました。その船には、夏祭りの華やかな始まりを予感させる色鮮やかな装飾が施されており、一際目を引きます。船体には「大船渡丸」と刻まれた文字が誇らしげに輝き、今夜の主役として舞台に立つ準備が整えられているようでした。波間に静かに佇むその姿は、夕暮れに染まる大船渡湾の静けさと相まって、どこか神秘的な雰囲気さえ漂わせています。
やがて、夕方になると静けさを破るように「大船渡丸」は動き出し、緩やかに湾内へ繰り出していきます。その背にはまだオレンジ色を残した空が広がり、船の装飾が夕陽に照らされてきらめいていました。夜の帳が降りるころ、船上では華やかな灯りが灯され、三陸・大船渡夏祭りの海上舞台としてその役目を果たし始めます。賑やかな太鼓の音や、祭囃子が遠くから聞こえ、夏の夜の訪れを告げるように湾内全体に響き渡ります。

台船「大船渡丸」の左側には、大漁旗を何枚もなびかせた一艘の海上七夕船が波間に揺れていました。その鮮やかな旗が夕陽に映え、祭りの幕開けを告げるような雰囲気を醸し出していました。夕闇が迫るころ、この海上七夕船は静かに大船渡湾内を巡り、祭りの熱気をさらに高めます。その後、夜空を彩る花火や、大船渡湾内を照らす「ナイヤガラの滝」の仕掛け花火が、三陸・大船渡夏祭り 海上七夕のクライマックスを迎えることでしょう。
この海上七夕は、かつて陸前高田市小友町でも開催されていたと聞きます。三日市から両替を経て勝木田を迂回し、矢の浦方面へと巡行していたそうです。私自身はその勇壮な光景を目にしたことはありませんが、年配の方に話を聞くと、地域の人々に愛された、誇り高い祭りだったと語られます。今では記憶の中に刻まれたその姿が、伝統の一端として鮮やかに蘇ります。
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